さて、デッキを組む時に一番気になるのは「事故らないかな?」という事ですよね。練り込まれていないデッキだと良くあるんですが、手札と出せるマナが全く噛み合っていないということがよくあります。もちろんそんな状況では負けに向かってまっしぐらなので、是非避けたいところです。つーわけで、まずは土地の枚数から言ってみましょう。 まず、期待値で話しますが、 1ターン目(7枚)に手札に1枚あるにはデッキ中9枚だとほぼ期待値は1になります。以下、 2Tに2枚には15枚。 3Tに3枚には18枚。 4Tに4枚には24枚。 5Tに5枚には27枚となります。 後攻であれば、枚数がひとつずれます。つまり、4T目に4枚は18枚です。デッキの中で土地の枚数は24枚ってのはここら辺が基本なんですね。もちろん期待値ですから、そうはうまくいきません。ただ、長い目でみればそんなもんだろうということでこれを基準にするのは間違っていないわけです。 で、これは土地だけの話なので、エルフと鳥で8枚入っていればもちろん出るマナの量は変わってくるわけです。Firesとかが土地を削れるのはそのためなんですね。もちろん、DarkRitualとかでも話はかわります。とはいえ、4マナ以上の呪文なんて使わないぜ!というデッキでも無い限り、4枚くらいは毎ターン土地は置きたいですよね。だから土地の枚数は合計24枚は必要なわけです。 ここまでは単色デッキの話。2色以上で、色マナのことを考えるとまた話はややこしくなります。例えば、4ターン目に青青白白は絶対欲しい!というデッキだったとしましょう(そんな色拘束の激しいデッキ組むなよというのはおいといて)。2ターン目に2枚並ぶには15枚です。つーわけで、土地は平地15枚・島15枚で30枚。バカですね、多分まともなデッキは組めません。デュアルランドの優秀さはこういうところでわかります。つーわけで、ダメラン4枚、タップイン4枚と平地&島7枚ずつにしてみましょう。はい、25枚になりましたね。これでもうばっちりです。 まぁこれが基本で、あとはもうちょい土地を絞ってダイヤを入れてみたりとかいろいろ工夫して土地を絞ったりするわけです。まぁ今の環境では、土地は24枚というのを基準に考えていればほぼ間違い無いでしょう。大抵のデッキは2色以上になるはずなので、そこらへんの色マナの割合を見て、それぞれの色マナを出す手段を工夫する方が大切ですしね。 自分のデッキで恐縮なんですが、例をだします。 このデッキは赤黒で、基本的に色マナはどちらも一つで十分です。ポイントは、Persecuteの黒黒とSkizzikの赤赤(キッカー払いたいし)ですが、Persecuteは、3ターン目くらいまでにDarkRitualから唱えることを目標にしていますので、計12枚の黒マナを一つでも引いていれば大体は問題ありません。問題はSkizzikです。キッカーを払うとなると3赤赤が必要なためRitualと非常に相性が悪いです。というわけで採用したのがSandstoneNeedle。2回しか使えませんが、一気に赤赤が出るのが強みですし、2回目に使う時も、それがとどめのGhituFireだったらなんの問題もありません。サイド後に抹消を使うのにも相性がいいです。このデッキは超速攻を目指しているので、マナブーストの手段としても、単純に役立ちます。 次に、デッキに投入する呪文の話。 よーするに4枚〜1枚なんですが、それぞれ初手に来る確率は、39.9 ・31.5 ・22.1 ・11.7%となります。んでもって、何ドローでその確率が50%を超えるかとなると、それぞれ3・6・11・23ドローとなります。1マッチの勝負の山は大体8ターン目くらいまで(根拠は無いが経験的に)になります。 例えば、Firesは理想的な展開だと4ターン目に勝負がつき、Hatred黒は理想的な展開だと2ターン目に勝負がつくわけです。とはいえ、それは完全な理想形態なので、実質8ターン目くらいまでに同様の状況を作れるかどうかになってくるわけです。一方、フルパーミッションなどの場合は、8ターン目くらいまでをしのぎきれれば、大抵は相手の手札はほとんどなしで、自分の手札には山ほどのカウンターというような状況を作っているでしょう。要するに、初手7枚+8ドローの合計15枚・デッキ中の1/4のカードを使用した時点で勝負がつくようにデッキは構築されなければなりません。 ここで、さっきの土地の枚数を考えましょう。24枚だと4T目には4枚ですが、8T目の期待値は5〜6くらいになります。要するに、8T目の15枚中にスペルは9〜10枚というのが目安なわけです。さて、段々はっきりしてきましたね。速攻デッキであれば、その10枚で相手のライフを削りきるような構成にしないといけないわけです。もちろん「じゃぁShockが10枚ありゃいいわけだね」っていうことじゃありません。相手だってだまって見てるわけじゃないんですから、相手の邪魔をするカードも必要なわけです。 そこらへんは、メタゲームも関わってくるためあんまり深く考えても仕方ないので、このカードは何枚デッキに入れたらいいか?というところに絞って考えましょう。再び、上で紹介した赤黒デッキを元に考えます。 まず、DarkRitual4枚。これは、単にマナブースト用ですね。SandstoneNeedle&PeatBog4枚と合わせて8枚でマナブースト用です。ここら辺は、土地の枚数と欲しいマナ数を調整した結果なのでそーなってるわけです。あくまでマナ生成のための土地補助ですね。 次に、NightscapeFamiliar4枚。赤用のメダリオン+ブロッカーです。んで、薄い2マナ域のため。マナカーブについては述べませんが、このデッキでも、2マナが全く無いというのはしんどいので入ってます。ブロッカーとしても優秀ですしね。 次に、PhyrexianScuta4枚+Skizzik3枚で計7枚の攻撃用クリーチャーです。デッキが土地事故を起こした時なんて、5ターン目くらいまでShock1枚しか打てないなんてことも起きます。もし、相手がそんなんだったら、2ターン目にSkizzikが出たらそれだけで勝てますね。要するに、主力打撃クリーチャーです。少なくとも4ターン目までに1枚は来ていないと勝てません。 次に、ChimericIdol3枚。ご存じの通り、優秀な3マナ3/3クリーチャーです。このデッキに他に無い3マナ圏を埋めるとともに、ブロッカー&打撃クリーチャーの両方をつとめることができます。 次に、Duress4枚&Persecute3枚。1ターン目Duress、2ターン目にRitualからPersecuteとできれば、相手の手札はほぼ空になります。出る前に落とせの除去。 次に、Terminate4枚。単純に出てしまったクリーチャーの除去です。今の環境だったらBlastderm以外ならほぼ全てに有効。 で、GhituFire3枚。序盤で焼き鳥もよし、8ターン目くらいにとどめに使うのもよしの万能X火力です。 で、Void2枚。万能除去ですね。これもDuressから繋がるとかなり極悪な威力を発揮します。 最後にYawgmoth'sAgenda1枚。まぁおまけです。硬直してきた時に出せると、一気に押し切れます。 さて、長々と解説しましたが、まとめてみると、除去&打撃で速攻デッキです。打撃として、クリーチャー14枚+GhituFire3枚の17枚。除去として、ハンデスやTerminate、Void、GhituFire(両用)で16枚。あと、おまけのAgenda。土地の枚数のところで述べた期待値で考えれば、初手の構成は「土地2枚、マナブースト1枚、打撃2枚、除去2枚」と見事な構成になりそうです。せっかくなので(^^;、よく回ったという攻め方をシュミレートしてみましょうか。初手は「沼、山、DarkRitual、PhyrexianScuta、ChimericIdol、Duress、Persecute」。 1ターン目、セット沼、Duress。 2ターン目、ドロー沼、セット沼、DarkRitualからPhyrexianScuta。 3ターン目、ドローRishdanPort、セット山、ChimericIdol出してScuta攻撃、相手ライフ15。 4ターン目、ドローNightScapeFamiler、セットRishadan、Persecute、攻撃で相手ライフ7。 5ターン目には攻撃とGhituFireで終わりますね。しかも、結構現実的っぽいです。(あくまで回りでってこと。普通は相手もクリーチャー出したりするからこうはうまくいかない) で、こういう回り方をさせる為には何枚デッキに入れるべきなのか?という話。 先ほどの期待ターン(50%で来る)を考慮し、経験を踏まえて考えると、 4枚・・・・1ターン目に来て欲しい。たとえ初手に2枚あっても問題ない。 3枚・・・・8ターン目までには引きたい。ただ、初手に2枚はしんどい。 2枚・・・・引けなくても構わない。膠着するころには引きたい 1枚・・・・隠し味(^^;、初手にあったらマリガンだと思ってあきらめる みたいな感じでしょうか。それぞれ、例のデッキを当てはめると、Ritual・Skizzik・Void・Agendaといったところですね。 カード1種類単位だとここまでなんですが、それだけを考えてたらデッキは回りません。デッキに4枚入っていたとしても、3ドローしてようやく引く確率は50%なんですから、2〜3回のデュエルであれば、運悪く1回も引かなかったということだって十分起こり得る確率です。なので、デッキを回すためには、同様のコンセプトを持ったカードが1コンセプトに付き8〜10枚は無いとそれを序盤で引くことは難しいです。 例えば、このデッキにもいくつかコンセプトはあります。重要なものは以下の2つ。 ・2ターン目(遅くとも3ターン目)には4マナ出せるようにする。 ・2ターン目(遅くとも3ターン目)には4マナの強力カードを通す。 速攻デッキなので、対処された時の事を深く考えません。2ターン目にScuta出せても返しでTerminateされてオーノーとか、2ターン目にPersecute通しても1枚しか落とせなくてオーマイゴッドなんて気にしてはダメです。気にしてたら、2ターン目に気合いで出す意味が無くなってしまいますしね。 で、4マナ出すために、Ritual&PeatBog&SandstoneNeedleで8枚入っているわけです。ほんとだったら、2マナ土地を4枚ずつで合計12枚くらいだと3ターン目に4マナ出る確率は完璧なんですが、それ以降に死にそうになるのでやりすぎはよくありません。実際、初手に土地が2枚で両方ともタップイン2回で壊れる土地だったら、おそらくマリガンします。手札にもよるけど、4ターン目くらいに完全に息切れしそうですしね。 もう一つの、4マナの強力カードってのはもちろん、Scuta、Skizzik、Persecuteです。Skizzikは実際5マナですが、そこらへんをキマイラ像3枚でバランスをとってみているわけです。以前は、Skizzikのところに、BlazingSpecterを採用していたのですが、実際のところ、打撃力が今一歩なので困りのタネなんですね。出た瞬間にShockってのもあり得るし、GhituFireでのとどめが理想なだけに、1回しか殴れないとしたら3点の違いは大きいのです。あと、Voidも5マナだけどここのコンセプトの仲間です。事前にDuressできれば、3ターン目でも極悪ですしね。 ま、こんなもんでしょうか。SandstoneNeedleなんてトーナメントでは全く見かけませんが、このデッキのコンセプトには非常にマッチしていると思います。序盤で2枚抱えてしまっても、2回目に使う時がとどめのGhituFireに間に合うなら十分なんです。 全般的に、速攻デッキでの解説になったので、青とか使う人にはかなり参考にならないかもしれません。OptとかFactとか使いまくる青デッキは、デッキに入れる枚数が根本的に変わってきますしね。 |