以前に、M:tG徒然記の方でもちょいと書いたのだがメタゲームというものについて考えてみたい。まぁ、元々の言葉としての意味とは違うのだけど、環境を読むゲームって意味でのメタゲームの話。 このメタゲームってものなんだけど、要するにデッキ構築の話であるわけだ。なので、まずはデッキ構築の話から。まぁ構築戦での話じゃないとややこしすぎるしね。 オリジナルのデッキ構築をする際には、基本的に以下の手順を踏むと思う。 1・使いたいカード(1種類でオッケー)か色を決める 2・そのデッキの勝ち筋(殴りきる、焼き尽くす、ライブラリを削りきるなど。もちろん併用でもオッケー) 3・その勝ち筋を固めるためのカードを選択する。 まぁ大体こんなところだろう。とはいえ、そうやってできたデッキは「何にも邪魔されずに行動出来ることが前提となっている」デッキだったりする。そこで、次のステップとして 勝ち筋への戦略が崩壊しないようなカードを選択しなおす という風になる。まぁ思い切って対策を切り捨てる場合もあるのだけど「このカードをLobotomyされたら投了」みたいなデッキじゃぁだめ。話にならないとまではいかないが、それならLobotomyされないようにカウンターも装備するようにするとか工夫していくわけだ。 とりあえず、一例を考えながらにしよう。 Avatar of Willというカードがある。相手の手札がゼロなら青青で召還できる5/6Flyingだ。これが出せればもう勝利は目前。これで殴って終わるようなデッキを作ろうとしたとしよう。これが1の手順。 2の手順として、勝ち筋を決める。Avatar of Willが決まっているのだからクリーチャーで殴るのが勝ち筋だ。というわけで、クリーチャーで殴ることが勝ち筋となる。 では、その勝ち筋を固めるためにどうしよう。相手の手札があったら6青青もかかってしまうので相手の手札をゼロにするのがいいだろう。ということは手札破壊をすればいい。というわけで手札破壊を満載。あと、Avatar of Willを引くためにドロー操作も満載。9スロットあるとしてAvatar of Willで1スロット。残りのスロットを手札破壊とドローで5:3くらいか。 さて、以上でデッキ構築終了。相手の手札破壊をしながら自分はドローを繰り返し、Avatar of Willで殴り勝つというデッキの完成だ。 このデッキは強いだろうか?多分、強烈に弱い。トーナメントレベルにはどうこうというのではなく、邪魔された時の事を考えていないから弱いといえる。 で、次のステップとして、勝ち筋が崩壊しないようにしていくのだ。せっかく青があるんだから、カウンターも装備するとか、相手の出したパーマネントへの対処方法とかを。 ここでようやくメタゲームの話になる。 メタゲームというと、大抵の場合、特定のデッキタイプに対してどういう風に対応しようかと考えていないだろうか。もちろん、それも必要なのだが最終調整での話になる。まずは、ほんとに基本的な戦略に対してどういう風に対応するかを考えておかなくてはいけない。高速に展開されるウィニークリーチャーにはどう対抗するか、火力にはどう対応するかといった、基本的な行動への対抗策の話である。 で、以前のM:tG徒然記にも書いたが、各色の代表的な呪文に対しての対抗策をまず考えるわけだ。もちろん、スタンダードならその時点での環境を考える。 例えば現在(2001/7)であれば、注意すべき白の呪文といえば、あいかわらずの全体破壊であるラスゴやGlobalRuin(これはちょっと違うか)。あと、クリーチャー除去であるAfterlifeやOrder/Chaos。ついでに、いやらしいエンチャントである、WorshipやらIvoryMaskやら。 そんな感じで各色について考えるわけだ。もし赤単を組んだとして、IvoryMaskとStoryCircle出されたら投了状態だったら、それに対するメタとして、キマイラ像やらKeldonNecropoliceやらを入れておくとかの話になるわけだね。まぁ、出されたら投了であきらめるってのも一つの手ではあるけど(^^;; で、こういう単純な対抗策を考えておくのがメタゲームの第1段階。 ここまで考えておけば、とりあえずはそれなりに勝てるデッキになるはず。もちろん、マナカーブやらの調整がうまくできているのも前提だけどね。とはいえ、これだけでは大会を制覇するデッキとしてメタゲームを読み切ったとかいうレベルには程遠い。次の段階のメタゲームをこなさないといけないのだ。 前述のように、基本的な対策が施されているデッキであれば、どんなデッキと対戦したとしても「手も足も出ない」という状況にはならない。もちろん、相性が悪くてどーにもならないという事はあるかもしれないが、ちょっと相手が事故気味とかドローのバランスが悪かったとかであれば、十分勝てるだろう。とはいえ、相性の悪いデッキとばかり当たってしまったというのは、メタゲームの敗北ということなのだ。 で、メタゲーム第2段階。まずは、出ようとしている大会における傾向を考えるわけだ。どうも最近は赤緑が多いとか青ばっかだとかを考える。そしたら、その予想を元として自分のデッキに多少の変更を加えるのである。 よく、青が多そうだからサイドにはBoil*4で・・・とかいうのは、正しいメタゲームでは無い。サイドを考えるのもメタゲームではあるのだけど、そんなに青が多そうだったら、メインに青への対策を組み込むというのが正しいメタゲームだといえる。 例えば、Firesなんだけど、青が多そうだったらプロ(青)をメインからいれておくというのは青に対する強烈なメタ。相手が青くなければ他のクリーチャーの方が強いとしても、そういう風に調整するのがメタゲームなのだ。 この段階までできるのであれば、それなりのプレイング技術に運が加わることで十分に小さい大会での優勝は狙えるだろう。それなりの規模の大会でも、上位入賞だって可能かもしれない。 だが、メタゲームにはさらに上の段階も存在する。そう、デッキ選択からのメタゲームだ。 そこまでの話は、普通の人に必要の無いレベルだと思うのだけど、プロツアーで勝ちたいとかいう人なら必要になってくるのだろう。でも、その前に、自分の好きなカードでデッキを組めるようになる方が先だよね。 |