大会とか出てみて思うのは、君たち強いカードっていうのはどういうものか考えたことがあるのかい?ということ。このカード強いでぇなんて言っても、その根拠ってのが無いんだよね。ブラストダーム強いでぇ、なんせ緑緑2で5/5だしなぁ、2回しか殴れないけど対象にならないしなぁなんて言っても、なんで、5/5の対象にならない生物が緑緑2だと強いのか?という理由に関してはよく解っていない感じをうける。もっと思ったのはオースデッキがあった頃。なんでみんな夜のスピリットとArcangelなの?別に他にもクリーチャーいるやんけ。まぁその2体が当時の環境ではかなり強いのは間違いないんだけどなぜ皆同じクリーチャーを選ぶのか理解に苦しんだ。コピーデッキ否定派の人っていうのはそういうのが気にくわないんだろうなぁなんて思うよね。 M:tGというゲームの勝利条件っていうのは実に単純である。簡単にいえば、相手のライフがゼロになるか、相手のライブラリーが無くなれば勝ちなのだ。特定のスペルの「ゲームに勝利する(もしくは負ける)」という条件を満たすとか毒とか他にもあるし、実際は〜の時あなたは敗北しますっていうルールなんだけど、わかりやすくいうと相手のライフをゼロにするか、ライブラリーが無くなれば勝利するってこと。ということは、強いカードっていうのはそのような状況を満たすことのできるカードが強いってことになるわけなんだね。 で、もちろん少ない枚数でそういう条件を作り出せるカードが強いのは間違いない。例えば、「土地--この土地が場に出たときあなたはゲームに勝利する」とかいうカードがあったら最強に決まってる。とはいえ、それじゃゲームもなんもあったもんじゃないからいろいろとカードの能力というのは限定的なわけだ。Invasionの合同勝利なんてのはそこまでの条件を満たしているなら勝ちっていうわけだね。こいうようなカードは基本的にエンドカードとなる。よーするにこの1枚が通ったらもうその時点で勝負が決まるというわけだ。ここでいうエンドカードというのはほんとに直接的に決まるものをいう。黒単色デッキに対してLight of Dayを出したらそりゃエンドカードに近いかもしれないけど、その時点で勝負が決まるわけではない。もしその後にあなたがまったく勝利条件につながるカードが手札にこなかったらどうだろう?その隙に相手にでっかいDrainLifeを打たれて負けるかもしれないっつーわけだ。となると、エンドカードってのはおのずと決まってくる。そう、相手のライフを直接ゼロにできるか、相手のライブラリーを一気に引ききらせるカードだ。FireBallとかは、「相手のライフを上回るダメージを与えられるだけのマナが出るとき」にエンドカードになるし、もし相手のライフが3以下だったらLightningbaltだってエンドカードだ。クリーチャーがブロックされていない時に「自分が相手のライフを上回っている(おおざっぱに)時」はHatredがエンドカードだろう。で、こういう直接的なエンドカードってのは、普通さまざまな条件がある。その条件が作り出しやすいほど強力なカードってわけなんだね。 とはいえ、そんなカードってのはそう多くなく、大抵のカードというのはそれら直接的な要因を作り出すための補助的な動きをするために使われる。それらの動きの組み合わせによって勝利を目指すのがM:tG本来のデッキ作りの楽しさであるからして、強いカードってのはそれだけでは測りきれない。で、もっと一般的な話になるようにしようと思う。 M:tGというゲームの勝利条件は先ほど述べた通りなのだが、言い換えると、それらの条件を作り出すために、自らのリソースを利用して相手のライフもしくはライブラリーというリソースをゼロにした方が勝ちということになる。自らのリソースというのは、初期段階として、20ライフ。60枚(普通は。なぜデッキが60枚なのかっていうのは別の話)のデッキ。そしてそのデッキから引ける7枚のカードが一番最初のリソースである。そして、このリソースは刻々と変化する。唯一決まっているのは、通常の状態であれば、自分のターンには毎回1枚デッキから手札に引けるという事だけである。それ以外は、その人のデッキによって、手札は土地というリソースに変わり、通常の土地はマナというリソースを生み出し、それがスペルに変わり・・・といった具合だ。 勝利条件のためには、より多くのリソースを使える方が有利なのは自明であるからして、初期状態ではまったく同等のリソースをどのようにして相手のリソースだけ減らすかというのが勝利のポイントとなるのではないだろうか。従って、より多くのリソースを獲得でき、より多く相手のリソースを減らせるカードほど強いカードであるといえると思う。つまり、費用対効果(^^;;;が大きいカードほど強いカードであるといえよう。 さて、なんだか変な話になってきたので、わかりやすい例をあげながらにしてみたいと思う。 Urza'sSagaの黒のカードにDuressというカードがある。コストが黒で相手の手札を見てクリーチャーとランド以外の1枚のカードを捨てさせられるというカードであり、一般的に強いカードとして認識されていると思う。何故強いのかを考えてみよう。まず、このカードが使用するリソースは、マナが黒。手札1枚(カード自身)である。得られる効果は、相手の手札1枚減(成功すればだけど)、相手の手札が見られるというものである。手札は自分も相手も1枚減である。ここは両者同等の負担かもしれないが(時たまDuress使ったら相手のDuressしか落とせなかったということもあるし)、状況によって大分変わる。変わるのであまり考えないでおこう(いや、本気で)。基本的に、自分も相手も手札が1枚墓地に行ったという点でほぼ同等と考えてもいいと思う。状況によっては相手が使おうと思っていたカードを墓地送りできてラッキーかもしれないし、相手が墓地に落としたかったカードを落とす羽目になってオーマイゴッドかもしれないのだから。で、もう一つのリソース、黒マナと相手の手札が見れるという方を考えてみたい。状況にもよるが、Grasses of Urzaというものが実にいやらしいアーティファクトだった事を思い出せるように、一方的に手札を全て公開するというのは非常にマイナスである。手札というものは未公開の点にもリソース的な価値があるのにそれを放棄しなくてはいけないので、次のターンに1枚ドローして加わるといってもそれからの展開が相手にかなりの割合で判明してしまうというのは大きい。対して、自分の負担は黒マナだけである。相手の手札が1枚とかゼロとかいう状況でも無い限り、この比較は自分にとって有利であるといえよう。これに、コストが黒だから相手の手札が多い序盤に唱えやすいなどのメリットを考えて強いカードであるといえるのである。 極端な例にしてみよう。BlackLotusというやたらと高くて有名なカードがある。コストは0マナ。自らを生け贄にささげて好きな色のマナが3マナでる。わかりやすくいったら、コストが0でどんな色でも出るDarkRitualである。つまり、自分のリソースは手札1枚しか使っていない。しかし、その対価として好きな色マナ3つを手に入れることができる。1ターン目で土地と合わせて4マナ出ると考えたら強いに決まっている。つまり、この場合手札1枚の対価で3マナのリソースを獲得できるというのが強いわけだ。ここらへんの種類の違うリソース変換の感覚はそのフォーマットによっても変わってくるので慣れるしかない。 で、極端な例でもわかりにくいかもしれないので、単純な例にしてみよう。よく言われるのだが、CounterSpellが最強の呪文だという説がある。いままでの理論から考えるとあながち間違いでもない。基本的にCounterSpellっていうわけで、相手が呪文を唱えるのに対応して使われる。カウンター合戦になるという状況はほっといて、そのカウンターが成功したと考えてみよう。こちらのコストは青青と手札1枚。対して相手はその呪文のコストに加えて手札1枚である。そう、青青より多くのコストを払っていたとしたら、確実に自分の方が得をしているのである。もしPay18Life、Hatredとかやったところだったら目も当てられない。これがCounterSpell最強説の根拠である。 ここまでの話で気が付くところは無いだろうか?通常呪文というものは、手札1枚を失うというリソース消費が伴うのである。起動型能力が強いという原因はここにある。それ自身が破壊されるというリスクがある反面、手札を消費せずに各種効果を得ることができるのである。 このような理論で単純なカードの強さというものは解ってもらえたと思う。基本的に、手札を1枚失うことと、その呪文のコストに対して得られる効果がそのリソース消費を上回る消費を相手に強いる場合、それは強いカードであると言えるのである。もっともこれはほんとに単純な話。そのスペルがパーマネントである場合は、そのパーマネントがあることがその後の展開に関わってきたりで色々複雑になるからねぇ。わかりやすいところだと、土地っていうのは基本的に強い。コストはかからないし、カウンターされないし、タップだけで1マナは大体でるからそのマナを利用して他のスペルを唱えられるようになるので、非常に重要なのだ。 文章が下手なおかげでうまく表現できないのだが、基本的に費用対効果が高いカードが強いってこと。付随する条件がいろいろとあったりはするんだけどね。RishdanPortも近いんだけど、なんでStripMineが強かったかというのは、0マナでカウンターされないStoneRainだから。デメリットは、そのターンに自分が土地を置けないってことなんだけど、土地が手札にあっても出さない時なんてよくあるでしょ?効果はお互いにカードを1枚失うってことなんだけど、相手がマナを出すためのものを失うのに対しこちらはマナを出す気が無いものを失うのだから相手の方がデメリットが大きいだろうということなわけだ。 こんな感じで、大体のカードってのは一見したところはカードの効果がバランス取れているように見える(そりゃぁ一生懸命カードデザインされてるんだしね)。しかし、自分のデッキテーマやメタゲームの状況によって、相手の方がデメリットが大きい場合は強いカードなのだ。つーわけで、使う人というかゲームの状況によっては無茶苦茶強いカードだったりまるで役に立たなかったりするわけなんだね。 よーするにそこらへんを見極めるのがM:tGの楽しさなんだと思うんだけどなぁ。 |