考えるのではない、感じるんだ


 さて、強いカードの次は強いデッキというものに関して。
 論議はあるだろうが、通常の人は強いデッキを使いたいと思うのではないだろうか。故に、コピーデッキがどうのといったような議論が生まれるのではないかと思う。そこで、強いデッキという物について考えてみたい。
 強いデッキというのはどういうものだろうか?強いカードが集まっていれば強いデッキにはなるだろうが、ただそれだけではだめなのは明らかである。極端な例を挙げるとすれば、赤の強いカードを満載しているのに、土地が森しか入っていないなどといったらそりゃ勝てるわけがない。デッキというのはカード単体の強さ以上に、カード同士の組み合わせが優れていないと強くはならないのだ。で、カードの組み合わせだけが優れていればトーナメントで連戦連勝かといえばそんなわけでもない(土地事故とかは除いても)。そう、メタゲーム(今の一般的な意味で使う)こそが一番重要なのである。
 そこで、メタゲームという物について簡単に考えてみたい。いきなりトーナメントに出るときに・・・なんて考えてもわけがわからないしね。で、友人3人くらいと遊ぶときのことを考えてみよう。
 あなたを含めて4人でいつもM:tGを楽しんでいる物と仮定する。皆、それぞれ気ままにデッキを組んでいたのだが、ある時、「土地破壊デッキ」が流行してきたとしよう。あなた以外の3人は皆、土地破壊デッキを組んでくるようになったとするのだ。それぞれのデッキが多少違うのは問題ない。そんな時、あなたはどのようなデッキを選べば良いだろうか?そう、相手が土地破壊デッキでなければまるで役に立たないカードを満載したデッキを組めば良いのだ。白ウィニーでも組んで土地が対象にならないとかいうエンチャントでも入れといてみよう。ついでにマーブルダイヤでも入れといてゲドンで相手は轟沈だ。それがメタゲームにて勝利するということなのである。
 もっとも、これは極端な例であるが、メタゲームの基本というのはこういうことである。世間一般で「このデッキは強いぜ!」ということでトーナメントに出てみても、ほとんどそれらのデッキとばかり当たるということはありがちだ。それらのデッキというのは確かに強い。しかし、完全に対策を施したデッキと当たったとしたら、いくら強いとはいえかなりの確率で負けてしまうだろう。もっとも、でっかい大会(なんたらGPとかプロツアーとか)で優勝したいというのでも無い限りはそこまで気にすることも無いかもしれない。5色の基本的な戦略(青カウンター・白ウィニー・赤バーン・緑ストンピィ・黒除去といった感じか)に対しての対策を考えたデッキであれば、全然勝負にならないということはまず無いはずだ。で、基本的なメタゲームというのはまずここから始まる。非常に特殊なデッキで無い限り(補充とかのコンボデッキなどはかなり特殊かもしれない。とはいえ、コンボを成功させるためにカウンターで補佐しているのが大半だ)は、これら5つの基本戦略が基盤となっている(この基本戦略については後で詳しく書きたい)。つまり、これら5つの色の基本戦略の流行度を分析し、全然流行っていないだろうというものに対しての対策は思い切って捨て去るというのがメタゲームに必要になってくる。5つ全部に対して完璧に対策なんてできるわけが無い。だから、せめて上位3つくらいの戦略には耐性を持つようにしつつデッキを組むというのが必要なのである。もちろん耐性をつけるだけでは無い。下位2つくらいの耐性を捨てるというのは、そのような戦略をとられないものとして、それをやられたらこっちは終わりなんだけどねっていうような戦略を取り入れてしまうというのが強い。
 代表的な例をあげるとなると、一世を風靡したHatredデッキだろう。どんなに2ターンキルや3ターンキルが可能だといっても、赤が流行している時には恐くてできたもんじゃない。たとえ2ターンキルが可能な状況だといっても、ライフはおそらく1対0とかになるだろう。相手に山が1枚経っていたら、shockで轟沈だ。とはいえ、当時はあまり赤が大きな勢力では無かったために一大勢力となることができたのである。
 つーわけで、メタゲームっていってもあまり考えすぎるのは良くないと思う今日この頃。雑誌に載りたい(マイナー雑誌だけど)とかいうのでも無い限りは、そこまで考え込まないで、最近はみんな赤使ってるなぁ、赤には注意しておくかなぁ。と感じるくらいでいいんじゃないだろうか。

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