構築戦こそ運ゲーだ
2001/05/15

 さて、世間一般では構築戦というのは、お互い自分の力を駆使して組んだデッキ同士で戦うのだから、最も運の入り込む余地が少ないのではないかと思われているのではなかろうか。
 それも一つの考えかもしれないが、自分の感じるところ「構築戦こそ運ゲーだ」という印象が強い。
 それは何故か?
 ある程度大きいトーナメントに出てみればわかると思うが、大抵はその時点で注目されているようなデッキ形態とあたることがほとんどである。今でいえば、Fires、青白パーミッション、ネザーゴー、レベルなどなどであろうか。底の方のテーブルで戦っていれば事情も違うが、大抵はそれらのデッキと当たる。大会のレベルという点で考えたら、ある程度練り込まれたデッキでみんな出てくるのだから当然と言えば当然だ。で、当たり前の事なのだが、いくら強いといわれるタイプのデッキ同士でも相性というものが存在する。それはどういうことか?よーするに、相性のいい相手と当たり続けた人間が結果的に上に残るというわけだ。

 極端な話にしてみよう。 赤単(スライでもポンザでもいいけど)がある程度の勢力となっているトーナメントがあったとする。そこに、プロ赤生物にStorycircleにCop赤にIvoryMaskに・・・といった赤いデッキが死にそうになるカードばかり満載したデッキで出場したとする。当然の事ながら偏りまくったデッキであるからして、赤単以外の相手には非常に分が悪い。しかし、もしずっと赤い相手とばかり当たったとしたらどうだろうか?おそらくかなりの確率で勝ち進むことができるであろう。その時代で、赤が一大勢力となっていたのだったら、決勝の相手まで赤単かもしれない。すると、そんな偏ったデッキでも優勝できるかもしれないのだ。

 もちろん、これは極端すぎる例であるからして、こんなことが現実的に起こるかといえば非常に疑問だ。しかしながら、いわゆるメタゲームというのは、こういうことを高度な次元で行うわけである。どんなにメタゲームを読み切ったようなデッキで出場したとしても(実際、そのトーナメントで優勝したデッキと同じデッキで出場したとしてもだ)、相性の悪い相手というのは必ず存在する。スイス式8回戦くらいだったとして、5回戦くらいまで、そんな相性の悪い相手とたまたま当たりまくってしまったらどうだろう?

 同じデッキ(まぁプレイングの技術も同じくらいだったとしよう)を使用したとしても、成績には大きな差がでるだろう。実際、先日行ってきた近畿地区選手権ではレベルとカンレベ合わせて38人いたそうである。参加が500人弱だったらしいが、1回も当たることはなかった。まぁ底辺を突き進んでいたという事情もあるが、25人だったという青白ネザーゴーに4回戦までで2回も当たっているということを考えたら、やっぱり組み合わせにめぐまれないという状況は起こり得ると考えられるわけだ。

 つーわけで、構築戦も運が大切です。というか、スイスドローでもシングルエリミネーションでもトーナメント戦となると基本的に組み合わせの運に左右されるってことなんだね。M:tGが競技として最強の王座を決めるとなったら総当たり戦しか無いと思うのであった。

 ※補足
  もし、M:tGでもタイトル戦みたいなのを作るとしたら、挑戦者決定戦として総当たりのリーグ戦。んでもって、チャンピオン対挑戦者は5本先取の試合を7番勝負(1回ごとにデッキごと交換あり)くらいしないと面白くなさそうだ。